アーケードギャラリーのアートを手がけたアーティスト・大巻伸嗣氏。
光が生み出す「Echoes-Crystallization」「Liminal」というふたつのアート。
壮大なテーマのもと制作された作品に込めた、その想いを語る。
アーケードギャラリーのアートを手がけたアーティスト・大巻伸嗣氏。
光が生み出す「Echoes-Crystallization」「Liminal」というふたつのアート。
壮大なテーマのもと制作された作品に込めた、その想いを語る。
アーケードギャラリーのアートを手がけたアーティスト・大巻伸嗣氏。
光が生み出す「Echoes-Crystallization」「Liminal」というふたつのアート。
壮大なテーマのもと制作された作品に込めた、その想いを語る。
「自分が制作している作品は、光をテーマにしているのですが、
光そのものというよりも、光が持ちえるイメージみたいなものを作品化しています」。
そう語るのは、アーケードギャラリーに立ち上がる光の柱
「Echoes-Crystallization」を制作したアーティスト・大巻伸嗣氏。
「小さな命のような目には見えないもの。そういった光のイメージみたいなものを、
この空間にどのような存在として、新しく関係付けられるか、を考えながら制作しました」。
「ここは、空間が地上と地下に分かれています。地上には、太陽の光や
草花が庭園に植栽され、光が知覚できるものとして存在している。
ですが、そういったものだけではなく、
小さな命のような、地下に眠る、または地下から沸き上がっていくような、
光というもののイメージを作品に込めました」。
光の柱のアート。そこには、数々の植物たちが繊細なタッチで描かれている。
「私たちが知覚しなければならないもの。人間が生きていく中で、
便利になっていくことで徐々に見えなくなっていくもの。
そういうようなものたちの代わりに、絶滅危惧種の花を描くことで、
光が持つ小さな声。あるいは小さな命のようなイメージを
作品として描いています。それが、このアーケードギャラリーという空間に、
シンボリックに立ち上がることで、もともとこの建物そのもののコンセプト、
新旧の融合、共生という部分にもそぐうかなと思っています」。


「この作品は、見る角度や見る位置によって、まったくその表情が異なります。
そして、この柱のアートそのものが、花というものの存在に気付くかどうか分からないような
描き方になっています。そういう意味では、見る人によって何か一箇所でも焦点が合うような、
そんな場所が生まれると嬉しいとは思いますね」。
アーケードギャラリーのいちばん奥の壁面に飾られるオブジェ「Liminal」もまた、
大巻氏がこのプロジェクトのために制作したアート。
「光に、もしも裏側があるとしたら、どうやったら表現できるんだろう。
光の波長の裏側にまた違う色が存在していて、それがまた違う世界に
つながっていくようなイメージで、光っていうものを当たり前に捉えずに、
光の裏側を想像するような作品というのに挑戦したいと考えました」。

1971年岐阜県生まれ。1997年東京芸術大学大学院美術美術研究科彫刻先行修了。現在、東京芸術大学美術学部教授。現在の日本のアートシーンを代表する気鋭のアーティストです。展示空間を非日常的な世界に生まれ変わらせ、鑑賞者の身体的な感覚を呼び覚ます、ダイナミックな作品を展開し続けています。
■主なパブリックコレクション:岐阜県美術館/金沢21世紀美術館/熊本市現代美術館/国立台湾美術館/京畿道美術館/モンイン・アート・センター(韓国)/高松市/UBSアートコレクション/トヨタアートコレクション/パレスホテル/ザ・リッツカールトン京都/TIAD オートグラフコレクション/Vermont Studio Center ほか多数
■受賞歴:令和5年度(第74回)芸術選奨文部科学新人賞
THE RITZ-CARLTON
KYOTO
PALACE HOTEL TOKYO