中庭に設置される巨大なアート「Mirror Cocoon」。
その制作者であるアーティスト・吉岡徳仁氏に話を伺った。
技術へ挑戦やそこに込めた想いに迫る。
中庭に設置される巨大なアート「Mirror Cocoon」。
その制作者であるアーティスト・吉岡徳仁氏に話を伺った。
技術へ挑戦やそこに込めた想いに迫る。
中庭に設置される巨大なアート「Mirror Cocoon」。
その制作者であるアーティスト・吉岡徳仁氏に話を伺った。
技術へ挑戦やそこに込めた想いに迫る。
エントランスを抜けた先。敷地のちょうど中心に位置する空間で、
オブジェ「Mirror Cocoon」は訪れる方を中庭へと迎え入れている。
光を映し、堂々と存在するそのアートを手がけたのは日本を代表するアーティスト・吉岡徳仁氏。
「今回のプロジェクトのお話をお聞きしたときに、歴史的な建物(旧逓信省)と
現代を融合させるようなイメージがありました。そこで、その歴史的なものの中に、
未来を描けるような作品を作りたい、と思いました」。
アートを目にしたとき多くの方々がまっ先に目を奪われるのは、
その特徴的なコクーン形状の美しさだろう。
「このコクーン形状というのは、誕生を意味する造形です。
発芽する種だったり、また卵だったり。生命のエネルギーを感じるような
美しい造形ができないかと考え、このかたちに辿り着きました」。
さらに、今回、吉岡氏の多くの過去作品を象徴する
ガラス素材ではなく、ステンレス素材を採用したことにも注目した。
「今回ステンレスの素材を採用したのは、光を放つようなものを
作りたかったからです。環境の中での光や、
一年中いろいろ変化する季節などを感じながら、
ひとつの普遍的な作品を作るというイメージで制作いたしました。
朝日ですとか、夕方のオレンジ色の光ですとか、
そういうもので、その作品自体が変化していくような。
そういう表情で生み出せたら良いのではないか、と思っています」。
この巨大なアートは、その実現のために造船の技術が用いられているという。
「私は技術がとても好きなのですが、それはアートのために生み出された技術ではなくて、工業的な技術のことです。
今回の造船技術はとてもスケールの大きな技術です。そういった技術を使ってアートを作るというのは、
僕自身にとって、とてもワクワクするような挑戦である、と考えています」。



「この大きな規模で、自由曲線で作るのはとても難しいのですが、
今回は、機会ではなく、気が遠くなるような手仕事の磨きによって、
この美しい造形を作り上げていこうと思っています。
完成して、設置された際には、とてもインパクトがある作品になると思います」。
1967年生まれ。倉俣史朗、三宅一生のもとでデザインを学び、2000年吉岡徳仁デザイン事務所を設立。 デザイン、建築、現代美術の領域において活動。代表作には、東京2020オリンピックの聖火リレートーチをはじめ、パリのオルセー美術館に常設展示されているガラスのベンチ「Water Block」、結晶の椅子「VENUS」、虹の教会「Rainbow Church」、ガラスの茶室「光庵」などがあり、 作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)やフランス国立近代美術館(ポンピドゥーセンター)、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)など、世界の主要美術館に永久所蔵されている。国際的なアワードを多数受賞し、アメリカNewsweek誌による「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれている。
RAINBOW
CHURCH
ガラスの茶室「光庵」