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ふなばし談話室(サロン)
JR「東船橋」駅周辺
豊かな自然が残る場所焼き菓子からケーキまで取り揃えるシュガーシャックのパティシエ 大野佑子さんに話を伺った。
大野佑子さん「洋菓子店シュガーシャック」
プロフィール:パティシエ 大野佑子さん(35)


東船橋駅南口から県立船橋高校に向かう交差点角に店を構える洋菓子店シュガーシャック。パティシエとして勤務する大野佑子さんは、峰台小学校、宮本中学校を経て県内の高校を卒業すると姉の智子さんとともにパティシエを目指し、都内の製菓専門学校に進学した。卒業後、他の洋菓子店に勤務したが22歳で結婚、23歳で出産し、子育てのために一時休職した。智子さんが藤尾健二さんと結婚し「シュガーシャック」を開店したため同店に合流、主婦業と並行しパティシエを続けている。

幼少期から過ごしてきた豊かな自然のある東船橋駅周辺


佑子さんと智子さんの実家は県立船橋高校の目の前。両親が共働きだったためもあり、自宅で姉妹揃って下の妹と3姉妹で菓子作りをするのが日課だったという。智子さんはいつも先生役、佑子さんに菓子作りを教えてくれたという。「クリスマスや誕生日にはケーキを作ってパーティに持っていきました。みんなの喜んでくれる顔が嬉しくて。みんなの笑顔を見たくてお菓子を作っているのは今も一緒ですね」と、懐かしそうに振り返る。
大野佑子さん「洋菓子店シュガーシャック」
プロフィール:パティシエ 大野佑子さん(35)
 子どもの頃、菓子作りとともに夢中になったのは、自然が豊かで広い公園がある東船橋駅近辺での外遊びだったという。「一番思い出深いのが宮本台二公園です。遊具も充実していて、ボール遊びや自転車をできる広場もあって…お菓子作りをしない日はいつもここにいました」と楽しそうに話す。「男子と一緒になって缶蹴りやドロケイもやりました。木登りをして木苺を食べてみたり、つつじの花でパラシュートを作ったり…話しているといろいろ思い出しちゃいますね」と思い出の詰まった子ども時代を振り返る。
そのほかにも、東船橋駅北口の宮本台北公園では広場で近所の子どもたちと野球をやったり、交通公園になっている道路を自転車で走ったり、海老川まで足を延ばしてザリガニ釣りやトカゲ獲りなどをして自然と触れ合ってきた。「今も自然が豊かな町ですけど、当時は今よりももっとたくさんの空き地があったので遊ぶ場所には困らなかったですね」と佑子さん。

船橋駅と津田沼駅に挟まれた住宅街


東船橋駅界隈の魅力を「船橋と津田沼という大きな駅に近いので交通も買い物も便利。それなのに自然が豊かで閑静な住宅街が並ぶ住みやすい街。今は柏市の増尾(ますお)付近に住んでいるのですが公園の大きさが全然違います!東船橋の方が都会なのに5倍くらい大きく感じます!!」と、育ってきた地元の魅力を話す。「でも、私たちが子どもの頃は、ワイズマートが無かったのでお母さんは買い物が大変だったみたいですけどね」と付け加える。
 街と一緒に発展を遂げてきたシュガーシャックは、開店から3年目に拡張し、イートインスペースを作った。「ケーキを購入して下さったお客様から『すぐに食べたいのに…残念だわ』という声を幾度となくもらい拡張に踏み切った。イートインスペースを利用するお客さんから聞こえる「おいしい〜」という声にモチベーションを高め、食べ残されたケーキを見て「量が多すぎたのかな?」など常にお客さん目線を忘れない同店。「シェフが時々、特別な誕生日のケーキなど難問を頂いてくることがあるのですが、スタッフみんなでどうやって実現しようか考える風土があります。私たちが子どもの頃にこんなお店があったらなぁと感じられる良いお店に育ちました」と、佑子さんは素敵な笑顔で話した。
東船橋は“茶室”のような存在3代続く茶室数寄屋造りの建築家、シティクリエートの小西宗仁さんに話を伺った
小西宗仁さん「シティクリエート」
プロフィール:シティクリエート 小西宗仁さん(77)


小西宗仁さんは、6歳から学習院大学2年生まで京都大徳寺の玉林院で修業した経験を持つ。小西さんの経営する会社「シティクリエート」は、祖父の代から続く「茶室数寄屋造り」の技法に長けた建築事務所。茶道家でもあり日本人のワビ・サビを後世に伝えていく立場にあり、修業時代に身に付けた日本文化に対する造詣の深さが奥行きのある人格を形成し、船橋商工会議所では「副会頭」を、ライオンズクラブでは地域の代表である「ガバナー」を務める、船橋の経済界でも中心となる人物だ。建築家としても、全国各地で数多くの実績を持っている。東船橋に事務所を移転させたのは30年ほど前、駅周辺は見渡す限り田畑ばかり、東船橋駅前がこれから発展していこうという黎明期だった。

小西宗仁さん「シティクリエート」
プロフィール:シティクリエート 小西宗仁さん(77)

建築家の目から見た東船橋


船橋駅と津田沼駅という大きな駅に挟まれ、県内でも有数の進学校「県立船橋高校」と、スポーツや部活動で全国的な知名度を持ち船橋を盛り上げる原動力になっている「市立船橋高校」を抱える東船橋駅。その成り立ちを、「この地域に土地を持つ方々が駅を作るために少しずつ土地を提供して出来たと聞いています」と小西さん。「ほんの20年くらい前まではほとんど畑と田んぼばかりだった。住環境の良さにひかれて多くの方が移り住み、ここ十数年で急速に発展してきました」とも。
東船橋駅の住環境の良さを「駅を降りると空気が違う。ほっとさせる街。人間が本来の自分に戻れるというのかな…わざわざ東船橋駅で下車して船橋側に帰宅していく人もいるくらいですから」と話す。
地元の学校から校長先生を通じて「地元おやじから見た教育論」と題した講演を毎年のように乞われてきたという小西さん。「裃(かみしも)を着けて、かしこまって住むという街ではなく、学校側も父兄や地元と一緒になってこれからの事を考えていこうというスタンスで付き合ってくれます」と話す。
大学卒業後に松下電器に入社。秘書課に配属になり、かの有名な松下幸之助翁の関東進出に同行した経験を持つ。翁から直接、たくさんの教えを受けてきた小西さんだったが、父の逝去にともなって同社を退職。当時八丁堀に事務所を構えていた父の会社「小西建築事務所」の代表に就任した。社内の大幅な改革を実行し立て直しに成功すると、海があり活気のある街で働きたいと船橋にやってきた。

船橋という街に関わってみて


住環境について「船橋という雑多な都会の中で東船橋は『茶室』のような役割。ほっと自分のことを見つめ直す時間を持てる街だと思います」と。 これからの東船橋について「もっと外からの目を惹きつける街になっていくと思います。土地の面からみてもまだ開発余地があるし、実はこの駅からバスを使って飯山満や薬円台方面に帰っている人も多いんですよ」と話す。海老川や船橋港も徒歩圏内、市場では早朝から買い物も楽しめるし、ららぽーとやIKEAなどの大型商業施設も近い。住居をかまえる多くのメリットがここにはあります。
東船橋の街や人の雰囲気が好き駅開業から35年。開発が進む東船橋駅前で地域に愛されながら営業する和食居酒屋「かんたろう」のご主人、千田さんに話を伺った。
千田直樹さん「居酒屋かんたろう」
プロフィール:店主 千田直樹さん 四街道市出身、船橋市在住。


東船橋駅北口から約200mの居酒屋かんたろうは、開店から間もなく20年を迎えようという東船橋駅の老舗。船橋市地方卸売市場で毎朝仕入れる新鮮な海鮮が自慢の居酒屋だ。入口を入るとカウンターから威勢の良い「いらっしゃい」の声、人懐っこい笑顔がトレードマークの同店オーナー千田直樹さんが出迎えてくれる。
同店は、夜だけでなく昼のメニューも充実。「東船橋に住んでいて都内に通っている方が、職場の近くで飲んで帰ってくるのではなく、たまには自宅近くの飲食店で食事をして帰ろうと思ってもらえる、愛着の感じられるホームタウンを目指しています」と、笑顔で話す。

最初は地域の不動産会社の飲食部門に入社した千田さん。当時、かんたろうは船橋店と東船橋店の2店舗があり、千田さんは両方の店を任されるマネージャーとして入社した。その頃の東船橋駅周辺は、まだ畑の真ん中にポツンと駅があるという感じだったそうだ。数年経ち、自分でお店を持ちたいという気持ちが強くなった千田さん。素直に気持ちを社長に打ち明けたところ「千田くん、そのまま店をやったら良いよ」と、気持ちよく店を譲ってくれた。両方の店を自分が見るのは難しいと思っていたので、「街と一緒に成長していきたい」と、東船橋店を譲り受けた。人や街の雰囲気が好きだったというのも東船橋店を選んだ理由の一つだと言う。

千田直樹さん「居酒屋かんたろう」
プロフィール:店主 千田直樹さん 四街道市出身、船橋市在住。

東船橋には地域ぐるみで街を良くする機運がある


「東船橋周辺は、消防署・警察署・税務署などたくさんの公共機関があります。お店にきてくれた警察官や消防士の方が街で会うと声を掛けてくれたりして、自然とコミュニケーションが育まれているような気がします。地域のイベント事にも、非常に協力的で一丸となって盛り上げてくれる風土があります。例えば、ハロウィーンに子ども達が『トリック・オア・トリート』と駅前の派出所を訪問すると、警察官がお菓子で応じるなど和やかな一体感があります。うちのお店でこの間までバイトしていた子は、自分も地域に根差した警察官になりたいって、この春から警視庁に勤めるんです」と千田さんは嬉しそうに話す。「ほかにも、自治会の人や市立船橋高校の生徒さんたちが自主的にゴミ拾いする姿が頻繁に見られますし、東日本大震災の時には、近所の方同士で安全を確認しあう姿もあって、地域ぐるみで安心・安全も見守る機運がある街だと思います。」と語ってくれた。さらに続けて「実際この周辺は高台で地盤もしっかりしているので、震災による直接の被害は少なかったと思います。ただ、震災後にスーパーやコンビニが品薄状態になっていました。少しでも皆さんの役立てればと思ってお店を休まず営業したんですが、計画停電でご飯を炊くことが出来なくて、計画停電のなかった市場の知り合いに電源を借りてご飯を炊いて、ローソクを照明代わりにして食事やお弁当を提供したんです。『あの時はすごく助かった』と今でもお客さんに感謝をされます。」と当時を振り返ってくれた。

小学生のお子さんがいるという千田さんに東船橋周辺の教育環境について伺うと「息子が市内の小学校でバスケットをやってるのですが、千葉県を制覇するよりも船橋市を制覇する方が大変だと言われるほど、船橋はバスケットが盛んな地域で、峰台小学校も強豪です。試合会場で峰台小学校や宮本小学校の顧問の先生や保護者の方とお話をする機会があるんですが、非常に教育熱心な方が多い印象を受けます。駅から徒歩圏に県立船橋高校や市立船橋高校、峰台小学校や宮本中学校など多くの学校が集まっているのも、そういった風土を育くむ要素かもしれないですね。」と話してくれた。
子どもも大人も暮らしやすい環境がある船橋市宮本で生まれ育ち、東船橋駅前でデンタルクリニックを経営する、椎名さんに話を伺った。
椎名康雅さん「スマイルデンタルクリニック」
プロフィール:院長 椎名康雅さん 船橋市宮本出身。
市立船橋高校、東京歯科大学を卒業後、
大学病院などを経て東船橋駅前にすまいるデンタルクリニックを開業。


矯正専門歯科医で小児の専門歯科クリニック院長の椎名康雅さんは、船橋大神宮にほど近い宮本6丁目で生まれ育った。子どもの頃は船橋大神宮やららぽーとを庭に駆け回り、高校は東船橋駅が最寄りの市立船橋高校を卒業。東京歯科大学歯科矯正歯科学卒業後は大学病院に勤務、その後知り合いのクリニックで数年の修業期間を経て、平成15年に地元東船橋駅前に開業した。

お子さまの遊び心をくすぐる仕組み満載の保育士が常駐する歯科クリニック


東船橋駅の北口ロータリーに面した小児歯科専門クリニックと、南口にある予防型総合歯科の矯正歯科専門クリニックを構える、スマイルデンタルクリニック。実は、千葉県内にも小児専門の歯科クリニックというのは数えるほどしかない。中でもスマイルデンタルクリニックのように保育士が常駐している歯科クリニックは数少ないと言う。そんな北口クリニックには、子どもの遊び心をくすぐる仕組みが満載だ。まず入口、親子でクリニックを訪れると子どもはキッズルームへとつながる小さなドアをくぐる。親は原則この扉をくぐれない。キッズルームに預けた子どもは、順番が来るまで保育士とキッズルームで過ごす。キッズルームには、少し心配な親御さんが夢中になって遊んでいる子どもの姿を覗ける窓がついているので安心だ。カラフルな配色のキッズルーム。柱には落書きOKな黒板を設置、ブロックからボールプールまで幅広いおもちゃが用意されている。
椎名康雅さん「スマイルデンタルクリニック」
プロフィール:院長 椎名康雅さん 船橋市宮本出身。
市立船橋高校、東京歯科大学を卒業後、
大学病院などを経て東船橋駅前にすまいるデンタルクリニックを開業。
大人ではしゃがんでも入室困難な隠れ家のようなトイレ、診療台には常時アニメが流れているテレビモニターを設置。治療の際は安全に配慮したラバーダムを使用。子どものストレスを軽減できるよう歯科衛生士とのトレーニングプログラムも用意し、子どもの意思を尊重して治療が始められるような仕組みも設けている。

東船橋は空が広く、静かで安心して生活できる場所


東船橋を開業の地に選んだ理由を伺うと、「生まれ育った地元なので愛着もありますし、他の場所を選ぶ理由がなかったというのが一番。」とすぐに答えが返ってきた。そんな椎名さんにこのエリアの魅力を伺うと、「船橋と津田沼という賑やかな駅の間なのに、静かでのんびりした時間が流れている。高台で地盤が良い。大きな建物が無いので空が広いですね。今は、埋立てられてますけど、船橋大神宮の中にある燈明台が使われていた頃、国道14号線あたりは海岸線だったんですよ。東船橋駅にかけての丘陵地帯の斜面に多くの神社仏閣が建立されていたり、別荘跡地があったりする。高台にあるので地盤がよくて、昔から子どもも大人も安心して生活がおくれた場所なんだと思いますよ。あと、スポーツ等で全国的な知名度を誇る市立船橋高校や県内トップクラスの進学校の県立船橋高校があったり、市場が近いのも魅力ですよ。」と教えてくれた。

市場を日常的に使いこなせる生活


椎名さんは東船橋駅からほど近い船橋市地方卸売市場で新鮮な魚介を使用した定食を食べに友人と訪れる事がよくあるそうだが、市場に程近い市立船橋高校在学時代には知らなかった魅力的な場所があって驚いたという。市場内には、鮮魚だけでなく、駄菓子の卸売り「山下商店」や海苔の問屋「船福」、お茶の問屋「大西園」など一般小売にも対応する問屋さんが約80店舗以上軒を連ねている。ちなみに、船橋市は漁業も盛んな町。スズキの水揚げ量が日本一だという※1。船橋市場ではマグロの競りも行われており水産の仲卸では一般買い物客向けに対応してくれる店もあるので、土曜日の朝食にマルシェ気分で市場を巡り、購入した新鮮な魚を自分でさばいてカルパッチョ!なんて生活も可能に。実際椎名さんの周辺には魚のさばき方を教える講座を公民館などで開催している料理人もいるとの事。
東京アーバンライン「塚田」駅周辺
子どもが思いっきり遊べる環境が魅力
船橋市で幼少期を過ごし、新設されたゆいまーる保育園に勤務する保育士。エリアの魅力を良く知る小豆畑佳奈さんに話を伺った。
小豆畑佳奈ゆいまーる保育園/保育士:小豆畑佳奈さん
プロフィール:千葉市出身、船橋市育ち。開発が進む前の塚田エリアで自然に囲まれて育ち、地元の小学校、中学校を卒業。
都内の短大を卒業し、同園で念願の保育士に。


現在受け持っているのは5歳児23人のクラス。船橋市の西部エリアは近年の開発により人口が増えている地域。小学校、保育園、幼稚園も児童数の増加に対して急ピッチで対策を行っているところだ※1。小学校は、増加した児童を収容するための仮校舎を増設したり、新校舎に改築したり。保育園の設立も近年相次いでいる。ゆいまーる保育園も2014年春に新設された保育園だ。

「小学生の頃は、新船橋駅に隣接していた東武スポーツクラブのプールに通い、自然がたっぷりの行田公園や長津川親水公園で元気いっぱいに遊んでいました」と、少女時代を話す。「長津川親水公園には、近所の友達家族とよく遊びに行きました。スルメでザリガニ釣りをしたりしたんですよ」と楽しそうに話す。
学生になるとららぽーとTOKYO-BAYに映画やショッピングに出かけ、船橋駅近くのカラオケボックスで友達と過ごすように。「『湯楽の里』や『法典の湯』に友達と出かけてお風呂に浸かりながらゆっくり友達と話をして過ごすこともあります」と、スローライフも満喫する。「あっそうそう!アイスのまとめ買いにはシャトレーゼも欠かせないです!」と佳奈さんの思い出は尽きることがない。
小豆畑佳奈ゆいまーる保育園/保育士:小豆畑佳奈さん
プロフィール:千葉市出身、船橋市育ち。開発が進む前の塚田エリアで自然に囲まれて育ち、地元の小学校、中学校を卒業。
都内の短大を卒業し、同園で念願の保育士に。
ゆいまーる保育園ゆいまーる保育園

緑が多く開放的な行田公園

就職してからは、帰りがけにイオンモール船橋や24時間営業のマックスバリュで食材の買い物をするようになった。仕事関連のちょっとした買い物はイオンモール船橋でほとんどの用事が済んでしまう。また、東武アーバンパークラインは、船橋駅や西船橋駅を経由することで抜群の都内へのアクセスを実現してくれる。そのため、佳奈さんの友人や、保育園を利用する保護者は都内に勤務する方も多いという。

「この地域で新生活をするご家庭の皆さんにはぜひ、自然の中で思いっきり子どもたちを遊ばせてあげてほしいです。長津川親水公園では水辺での遊びを楽しんだり、行田公園はアスレチックと芝生広場があってめいっぱい遊べます。船橋市運動公園には公式に使用できる陸上競技用トラックとマラソンコースや、子ども向けの簡易なアスレチックも充実しています。少しすり傷作ったり、泥んこになったりするかも知れないですけど、子どもたちにとってかけがえのない経験ができる、個性の異なる多様な活動ができる大きな公園がたくさんあるので。大きい公園だけでなく、地元の小さな公園でも夏には地域の方々によるお祭りもあり、いろんな人と交流の場もありますね」と教育者の目に戻って話してくれた。
地域と共に創る子どもたちの居場所
地域の方々の協力を得ながら、子どもに昔あそびや外遊びを提供する
「行田公園で遊ぼう」事業を展開する、NPO法人行田ジャングルクラブ理事の栗原さんに話を伺った。
栗原潔さんNPO法人行田ジャングルクラブ/理事:栗原潔さん
プロフィール:17年勤めた会社をやめ、2002年に地域に根ざした活動を開始。2007年に仲間と共に設立したNPO法人行田ジャングルクラブの理事として、地域行事などさまざまな活動を継続中。2009年より行田団地内の商店街にコミュニティレストラン結を運営。


夕暮れ時になると、行田公園内の商店街にある「コミュニティレストラン結(YUI)」のカウンターは常連客で賑わいをみせる。この店を取り仕切るのは、栗原潔さん。「NPO法人行田ジャングルクラブ」の理事で、この店のマスターでもある。
同店では、近隣の畑を借り上げ、大根やニンジン、カブ、ジャガイモなどの根菜類を中心に小松菜やレタス、白菜、ブロッコリー、落花生など十数種類もの野菜を作っている。「たくさん採れた時は店で使うこともあるけど、ほとんどはみんなで分けて家で食べるんだ」と、栗原さんは笑顔で話す。地域の仲間内で縁あって200坪という畑を借りることになった。個人の趣味には広すぎるこの畑「みんなで分担して世話すれば何とかなるでしょ」と、常連客8人と栗原さんが一緒に畑をみることになったのだ。

「長女が学童保育に通っている時、先輩お父さんたちに導かれて様々な活動をしてきました。そうした活動を通じて引き込まれました」と、地域に目を向けるようになったきっかけを話す。「気づいたら東京に通うサラリーマンを辞めて、地元で仕事をしていたんです」とも。
2007年当時、行田東小、行田西小の校区では大きなマンションがいくつも建設され児童数が急増。定員いっぱいで放課後ルームに入れない高学年児童が20名を越えた。「空きを待っていても仕方がない、自分たちで放課後の子どもの居場所をつくろう」と、仲間内で学童保育を立ち上げた。「毎年、一緒に野外キャンプをしていたお父さん、お母さんたちがみんな利用者でした」と、栗原さんは振り返る。
栗原潔さんNPO法人行田ジャングルクラブ/理事:栗原潔さん
プロフィール:17年勤めた会社をやめ、2002年に地域に根ざした活動を開始。2007年に仲間と共に設立したNPO法人行田ジャングルクラブの理事として、地域行事などさまざまな活動を継続中。2009年より行田団地内の商店街にコミュニティレストラン結を運営。

行田公園で行われた地域のお祭り

その後、行政の放課後ルーム増設で待機児童も減り、学童保育事業からは撤退したが、外遊び事業はそのまま継続。毎週土曜日に14時から行田公園で、地域のおじいちゃん、おばあちゃんが中心になり、竹馬や竹とんぼ、ベーゴマやドッチビーなど外遊びや昔遊びの場を地域の子どもたちに提供している。
また、少し離れた場所に田んぼを借りて子どもたちやその両親と一緒に田植えや稲刈りも行う。そのほか、キャンプ場での、飯盒炊飯、ネイチャーゲームなどの自然体験活動も行っている。親子で参加できるこうした企画、昔遊びなどから、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、そして子どもたちの輪ができていく。こうした活動を通じて栗原さんは、地域の中で人に囲まれて生活している。
船橋駅から最も近いいちご狩りの出来る農園
東武アーバンパークライン「塚田」駅から馬込沢駅方面に向かった場所にある いちご農園「○甚(まるじん)農園」。園主の高橋武人さんに話を伺った。
高橋武人さん○甚(まるじん)農園/園主:高橋武人さん
プロフィール:幼少期から車が好きだった武人さんは、高校を卒業して自動車専門学校に進学。卒業後、自動車整備士として勤務していたが9年前、長女の出産を機に実家を継ぐため就農した。


東武アーバンパークライン「塚田」駅から馬込沢駅方面に線路に沿って進むと二つの駅のちょうど中間あたりにいちご農園を営む「○甚(まるじん)農園」がある。直売所も併設しているこの園、実は船橋駅から最も近い、いちご狩りの出来る農園としてインターネットや地域情報紙などで知られている。もちろん、併設の直売所ではいちごのほかにも各種の野菜も購入可能。近所に住む人が毎日のように朝採れ野菜を購入していく隠れた人気スポットとして定着している。
高橋家がいちご農業を始めたのは18年前。武人さんの妹がいちご狩りに出かけ「とても楽しかった」という話を聞いた父の弘道さんが、「うちでもやってみようか」と、研究を始めたのがきっかけだった。市場への野菜出荷を続けながら、約3反(3,000平方メートル)の広大な畑を使って「あきひめ」「とちおとめ」「やよいひめ」の3種をメーンにいちご栽培を開始した。直売所での販売は12月頃から始まる。いちご狩りは1月後半から徐々に開始、5月頃までは可能だという。
船橋駅から最も近いいちご狩りということもあって大学生のカップルや家族連れも多く来園する。「ネットで探して見つけましたが、船橋の駅からこんなに近くにいちご狩りできる場所があるなんて!」と、いちご狩りを体験した来園客は口々に感想を話す。
高橋武人さん○甚(まるじん)農園/園主:高橋武人さん
プロフィール:幼少期から車が好きだった武人さんは、高校を卒業して自動車専門学校に進学。卒業後、自動車整備士として勤務していたが9年前、長女の出産を機に実家を継ぐため就農した。
○甚(まるじん)農園○甚(まるじん)農園

収穫された○甚農園のいちご       ヤマダ電機などの家電量販店も身近に

さらに、2013年からは、梨畑も所有。ちょうど、ふなっしーブームの時期、船橋市内の梨農家で扱うふなっしーオリジナル梨袋を同園でも扱っている。ちなみに、この「ふなっしー梨袋」著作権料は、ふなっしーの意向により、東日本大震災の震災孤児を支援する「NPOみちのく未来基金」への寄付に充てられているそうだ。
冬季に人気のいちご狩りだが、「週末や月曜日は事前に電話を入れて頂いたほうが良い」と武人さん。せっかくいちご狩りにやってきても収穫するいちごが採りつくされた後という事もあるほどの人気だそうだ。

この地域の魅力について尋ねると「駅も近いし、買い物にも便利。新鮮な野菜を買う事もできるし、適度に自然もある。大きな公園も近くにあるので住むのに本当に便利な地域ですよ」と、話してくれた。ちょっとした買い物にはイオンモール船橋を、コジマ×ビックカメラやヤマダ電機などの家電量販店も近くにあり、都内にでなくても先端のファッションやインテリア・生活雑貨などはららぽーとTOKYO-BAYで揃えることができる。昔からの高台の土地なので大規模な農地も多く残っている。そのため、若手が継いでいる農家も多く農園に直結した直売所がたくさんあるのも魅力だという。武人さんのいちご農園周辺だけでも、ぶどう、とうもろこし、小松菜、ほうれん草、だいこん、にんじん、ねぎ、トマト・・・様々な農産物が直売所で販売している。行田公園のすぐ近くには農協が直営する農産物直売所ふなっこ畑もあり、地元産の新鮮な朝採れ農産物がすぐ近くで手に入るのも生産地ならではの魅力だろう。
車で約10分 都会の顔から生活の場へ百貨店や大型商業施設も立ち並ぶ船橋駅から約10分、住宅地の合間に畑が広がるのどかな風景がある。この地で代々農家を営む金子さんに地元の魅力を聞いた。
金子敬義さん「ファーム茂左衛門」
プロフィール:金子敬義さん(28)船橋市出身。
市内普通科の高校を卒業後、千葉県立農業大学短期大学部の農業科に進学。
卒業後そのまま就農。


「すごく便利な街だなと思います。この数年で周りに大型スーパーなどの数が増えました。家電量販店やホームセンターも近くにあるので、なんでも買い物しやすいですよね」船橋市前貝塚町で農業を営む金子敬義さん(28)は小、中、高校と地元の学校を卒業し、千葉県立農業大学校の農業科を経て、実家の農家を継いだ生粋の船橋育ちである。長年生活する街について問うと、まず暮らしやすい街であるという答えが返ってきた。「農家の仲間と船橋に飲みに行ったりするのも楽しいです。飲んだ後はラーメンが好きなので、よく食べに行きますよ。僕が行くのは田所商店やとんちゃんですね。船橋、美味しいラーメン屋さんも多いんじゃないかな?」と金子さんは笑う。

船橋というとラーメン店に限らず飲食店の数も多い。船橋駅は一日平均乗降客数約46万人(※1)を数える、県内有数のターミナル駅だ。駅の周りには東武百貨店(※2)、西武百貨店(※3)が並び、イトーヨーカドー(※4)やイオン(※5)も軒を連ねる。そこから車で約10分ほど走ったところに金子さんの自宅と畑はある。船橋駅周辺の賑わいとは対照的にのどかな風景が広がっている。金子さんがこの畑でメーンに育てているのはトマト。「うちでは、りんか、という種類のトマトを栽培しています。コクがあって甘く、少し小ぶりなものをあえて出荷しているんです。出荷先は、船橋市場や行田公園の近くにあるふなっこ畑(※6)、近所のスーパーの直売所など。毎年4月下旬から7月いっぱいまで出荷しています」直売所以外で金子さんが育てたトマトを購入する方法はあるのだろうか。
金子敬義さん「ファーム茂左衛門」
プロフィール:金子敬義さん(28)船橋市出身。
市内普通科の高校を卒業後、千葉県立農業大学短期大学部の農業科に進学。
卒業後そのまま就農。

農産物直売所「ふなっこ畑」

「畑にいるときに声をかけてくださったら、お分けしますよ。よく散歩中のご夫婦に野菜分けて、って声かけられたりするんです。去年も買ったのよ、なんて言われたらとても嬉しいですし、自分が育てたものを喜んでもらえるのが何よりなので、いつでも声かけてください」

車でたった10分。都会の顔からのんびりとした生活の場へとガラリと印象が変わるのもこの地域の魅力。金子さんがこの街で農業を続ける魅力もそんなところにあるのだろうか。「そうですね。買い物する立場として便利というのもあるのですが。農家にとって大型スーパーが増えるということは納品する場所が増えて、ありがたいことでもあるんです。スーパー以外にも昔はなかった建物ができて、どんどん街は開発されているけれど、うちの畑のように人と人が触れ合える場所もちゃんと残っている。都会的な便利さと、のどかさが共存している・・・そんなやっぱり地元が大好きですね」
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