1. 多くの人が探している
「都心近接エリア」

不動産市況で気になる動きがいくつかあるので解説したい。まず、新築マンションの価格について。国が発表する「基準地価」で、全国の地価は全用途で2年連続上昇したことが明らかにされたのは2023年9月19日のこと。特に東京、大阪、名古屋の中心部では地価上昇が著しい、と発表された。全用途・商業地は、東京圏では11年連続、大阪圏では2年連続、名古屋圏では3年連続で上昇し、上昇率が拡大した（国土交通省発表「令和5年都道府県地価調査結果」より）。東京の中心部といえばJR山手線の内側で、一部外側を含むエリアとなる。大阪では、JR大阪環状線の内側で、一部外側を含むエリアだろうか。いずれも中心部の線引きがわかりやすいといえる。このようにわかりやすい線引きがあると、大阪のことをよく知らない人でも環状線の内側で、一部大阪駅の外側でマンションを買えばよい、と考えるに違いない。実際、大阪では環状線内側に位置する都心マンションが大きく値上がりし、環状線の外側に値上がりの輪が大きく広がる状況が生まれているようだ。この「環状線の外側」、例えば北摂・阪神間エリアは、多くの人にとって、狙いたい場所となる。その結果だろう、環状線の外側でも、新築マンション価格が大きく上昇する場所が増えている。今、狙いたい場所は、環状線の外側で、なるべく大阪中心部に近く、しかもなるべくマンション価格が抑えられているところとなる。具体的には新築3LDKが4000万円台、5000万円台で購入できる場所である。条件が厳しく、なかなかみつけにくい。しかし、どこかに隠れていそう……そんな理想的な“場所”を探す人が増えているのが、近畿圏の実情だと私は観測している。

2.緑に囲まれた
マンションの工夫が進化

マンションにとって、緑は建物を彩る重要な要素になる。建物自体は完成してから数十年も経過すれば、「最先端」のままではいられない。そのとき、周囲の樹木が大きく育っていれば、建物が年を経てさらに深まる魅力を引き出してくれる。「緑と共に美しく時を刻んだマンション」という評価が生まれるからだ。緑が豊かに成長を遂げた景観は、築年が経過してこそ価値が出てくる。植栽の工夫は進化し、建物正面部分に分厚く樹木を配置したり、木陰にベンチを置くといった工夫も生まれている。「パークホームズ伊丹稲野ガーデンスクエア パークフロント」は広い公園に隣接し、敷地内の緑量も豊富。樹木に関する工夫を凝らしたプロジェクトとなる。樹木が大きく育つのが楽しみなマンションなのである。

みんなの広場完成予想CG

▲樹々の成長とともにコミュニティの輪も育まれる