オリエンタルランド 松岡氏

PICK UP!! TOPICS

外構コンセプトデザイン
オリエンタルランド担当者インタビュー Vol.1

パークタワー晴海の最大の特長とも言えるのが、そのランドスケープだ。美しく植栽を配置するだけのデザイン計画とは一線を画し、ただ眺めて美しい庭としてだけではなく、住戸と同様に住人たちの暮らしの舞台となるようデザインされている。そのデザインを実現するコンセプトは「バックグラウンドストーリー」を描くことをスタートとするユニークな手法をとっており、オリエンタルランドが担当。担当者の松岡氏にその想いを聞いた。

オリエンタルランドの考える集合住宅

バックグラウンドとなるストーリーがあることで、
暮らす人の愛着や誇りにつながっていく。

集合住宅を作るにあたって私たちがいつも考えていることは二つあって、一つ目は個性があること、二つ目は想像力をかきたてる設えであることです。
個性や想像力を導き出すために、私たちがとっているアプローチ方法があります。それはまず最初に「バックグラウンドストーリー=お話」をつくり、それに基づいて設えを展開するというやり方です。
「バックグラウンドストーリー」があることで、世界観を共有でき、プロジェクトに携わる全員が想いを込めやすくなり、そして暮らす方たちに愛着や誇りを醸成することにつながります。その愛着と誇りの醸成が、コミュニティの形成・強化につながっていくのです。
また「バックグラウンドストーリー」で想像力をかきたてることによって、暮らしに活力を与え、ワクワク感や高揚感を生み出すことができると考えています。

パークタワー晴海で実現したかったこと

都会の中のリゾートチックで里山チックでファンタジック。
都会でありながらこんな暮らし方もあるのだということを、
ここから世界に発信していけるようなデザインを目指した。

このプロジェクトをスタートするにあたってまず初めに、東京の真ん中、すなわち日本の真ん中という場所(※1)、こんな場所だからこそ何かを発信していきたいというテーマがありました。「ここに暮らす人は常に世界を意識しながら生きている。ここで暮らす子供も、ここから世界に羽ばたいていけるような意識を常に持って、育まれていく…」そんな住宅にしたいということでした。
ですので私たちも、都会の中のリゾートチックで里山チックでファンタジック。都会でありながらこんな暮らし方もあるんだよ、ということを世界に発信していけるようなデザインを織り込みたいという話を最初にしました。

晴海と言えば、かつて国際展示場があった場所です。これからオリンピックもあります。ここで育った子供たちが、世界に羽ばたいて、世界で活躍する……そんな話の中から、「くじら」というキーワードがでてきたんです。海とのつながり、スケールの大きさ、おおらかさ、自由でやさしいイメージ……「くじら」と聞いた時、パークタワー晴海のシンボルとしてはぴったりだと思いました。そこから「くじら」のバックグランドストーリーを描いてみようという話になり、そのストーリーを元にランドスケープを作っていくことになったのです。

ランドスケープデザインに込めた想い

ランドスケープは、季節や、天候にもかかわってくるもので、
ただ眺めているだけだともったいない。
体感でき、五感を刺激するランドスケープを。

ランドスケープのデザインの中に住人や隣人が入ってきて初めて成立するような空間を創ることも、私たちがいつも心がけていることのひとつです。ただ見るだけではなく、体験するということ。カッコいいことを目指すだけでなく、ユーモアやちょっとした仕掛けをちりばめて、楽しさや嬉しさにつながる仕掛けを展開できたらいいなと考えています。
ランドスケープも自分の家の一部であり、そこに対する住む人の愛着が、石一つにまで届いていくといいんじゃないかなと。やっぱり生活する場所なので、使い込んだり体験したりして、暮らしの一部になっていくのが、幸福感につながっていくと考えています。

ランドスケープは、季節や、天候にもかかわってくるもので、ただ眺めているだけだともったいない。木の実をもいだり、どんぐりを拾ったり、工作したり、そういうものからイマジネーションがどんどん展開されていきます。遠くから眺めるだけのランドスケープではなく、そんな五感を刺激するランドスケープを実現したいと思っています。

ランドスケープのデザインコンセプトは「テラス」

ご近所さん、親と子、人と生き物、植物とも、
季節ともつながる場所が「テラス」。
昔の縁側のような概念としての「テラス」をデザインの中心に。

「テラス」は一番最初にコンセプトについて話し始めたときに出てきたワード。「テラス」というのは、外と内をつなげる場所であり、人間と自然をつなげる場所。昔の縁側のような概念としての「テラス」です。意識は中にいながら外に行ったり、外にいながら、気が付いたらエントランスに入っているといったように外と中がシームレスにつながるという概念を「テラス」という言葉で表しています。外と内の関係をあいまいにして、全部がつながっている、シームレスにつながっている……そんな形にできたらおもしろいねと。

建築のほうもカッチリと仕切りをつけずつながっていくようになっていますが、それも「テラス」というワードからでてきたものです。例えばヨーロッパの老人が、外に椅子をだしてまどろんでいたりするそんなシーンがいろいろなところにあると楽しいなあと。ご近所さんともつながっていたり、親と子、人と生き物、植物や季節ともつながる場所が「テラス」なんです。

パークタワー晴海は5つのゾーンに分かれていますが、そのゾーンの概念も、外は外、中は中ではなくて、5つのゾーンすべて建物の中に外構を取り込んだゾーンになっています。5つのゾーンはそれぞれ重なるようにつながっており、また、直線の道はなくすべて曲線=有機的なラインでデザインされています。その曲線の道を歩いているうちに、いつのまにかゾーンが変わっているというような、パッと区切るのではなく、自然とオーバーラップしてゾーンが変わるように設計されているのです。

私たちはいつも有機的な設えというのをやっていて、歩いていて楽しい道はたいていグネグネしています。それは、先を見せない工夫なのです。一つの場所に立って全部が見渡せてしまうのはすごくつまらないことで、次にどんな場面がでてくるのかを期待させたい。公開空地なので防犯上の問題は気を付けながら、できるだけ全部は見せず、次のシーンをチラ見させてぐっと引き込むという工夫もしています。次のシーンで使う石の素材をちょっと手前のゾーンにぽつぽつ置いて使うのも、その一つです。
滝の音なども、聞こえるけども見えない。音が聞こえて、ひきこまれて、歩いているとその全貌が見えてくるのです。

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  1. ※1パークタワー晴海は、東京都中央区に位置しています。
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